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共催企画:池田喬『ハイデガーと現代現象学』(勁草書房、2024)合評会

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  合評会:池田喬『ハイデガーと現代現象学』(勁草書房、2024)  【日時】2025年3月14日(金) 14:00~18:00 【会場】明治大学和泉キャンパス1号館地下1階007教室 【提題者】佐藤駿(岩手大学)、丸山文隆(長野大学)、田村正資(株式会社baton)、池田喬(明治大学) 【オーガナイザー】國領佳樹(東京都立大学) *参加登録不要・参加費無料 開催趣旨 エドムント・フッサールがその独自の哲学として現象学を展開してから、いまや100年以上が経過した。その間に、フッサールの仕事に影響を受けた、多くの哲学者たちが現象学的探求に従事し、現象学は20世紀を代表する一つの思想潮流を形成することになった。そして現在、当時最先端の哲学であった現象学も歴史的・文献学的な観点から研究されるようになった。そうした研究の対象となるのは、創始者のフッサールはもちろん、彼の弟子であったマルティン・ハイデガーや、現象学をフランスにおいて独自に展開したモーリス・メルロ゠ポンティ、シモーヌ・ボーヴォワール、ジャン゠ポール・サルトルなど、20世紀の哲学史を彩る現象学者たちである。こうした個々の現象学者の研究は、国内外問わず、毎年大量に発表され、新たな知見を生みだしている。  このような歴史的・文献学的研究としての現象学研究と並行して、かつての現象学者の洞察を引き継いだ一部の哲学者は、さまざまな分野で現代哲学として現象学を展開しようとしている。このような試みは、「現代現象学」という呼称が与えられうる。しかし厳密には現代現象学とは何であるか。本当にその名に相応しいならば、それは、ただかつての現象学者の洞察を着想源の一つとしているというだけではないはずだろう。  現代哲学としての現象学(現代現象学)とは何であり、それにどう取り組むべきか。歴史的・文献学的研究とどのように関係するのか。こうした問いに対して、池田喬『ハイデガーと現代現象学』(勁草書房、2024年)は一つの方向性を示唆している。したがって、本書の合評会は、現代の現象学研究のあり方についてあらためて考える機会となるだろう。そこで今回は、フッサール研究を専門とする佐藤駿氏、ハイデガー研究を専門とする丸山文隆氏、メルロ゠ポンティ研究を専門とする田村正資氏を招いて、それぞれの観点から本書で提示された現代現象...